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家族信託の税務①

2018.03.20

 

こんにちは、税理士の枌です。
家族信託ブログの5回目は、家族信託の税務について解説します。
まず、家族信託の税務の基本的な考え方ですが、「信託の受益者が信託財産の所有者である」とみなして課税がされます。
例えば
委託者  → 父
受託者  → 子
受益者  → 父
信託財産 → 父所有のアパート
で家族信託を設計してみます。
この場合、信託契約によってアパートそのものは父から子に信託譲渡され、登記簿上の所有者は「子」になります。
しかし、受益者は「父」ですから、税務では信託後の所有者は「父」のままです。
従って、この信託財産である父所有のアパートから得られる利益は全て父に帰属します。
当然ですが、このアパートについて不動産所得を申告する人は「父」となります。
税務上は信託の前後で所有者が変わっていないところに注目して下さい。
さて、このパターンで受益者だけ「母」に変更してみましょう。
委託者  → 父
受託者  → 子
受益者  → 母
信託財産 → 父所有のアパート
この場合、信託の前後で税務上の所有者が父→母に変わっていますね。
つまり、税務では財産の名義が移転したことになります。
このタイミングで母から父にアパート取得の適正な対価が支払われていれば、父は母にアパートを売却したことになります。
逆に、母が何らの対価を支払わない又は支払ったとしても適正対価とは大きく違う場合(時価>対価)には、母は父から贈与を受けた事になります。
信託後は、受益者である母が税務上のアパート所有者となりますから、母がアパートから得られる利益について不動産所得として申告する必要があります。
更にもう少し発展させてみます。
前回のブログでご紹介した「受益者連続型信託」で考えてみましょう。
委託者  → 父
受託者  → 子
受益者
→ 第一受益者は父(父存命中は父が受益者)
第二受益者は子(父死亡により第二受益者となる)
信託財産 → 父所有のアパート
信託の直後は、父がアパートの所有者なので、信託前後での財産移転がない事は説明済みです。
では、父死亡により受益者が父から子に変更された場合は税務ではどのように考えるのでしょうか。
父の死亡で子が次の受益者となった訳ですから、アパートが父から子に「父の死亡」を原因に移転しているわけです。
となると財産移転原因は「相続」となりますので、この場合相続税の課税対象となります。
ちなみに「受益者のいない信託」というのも実際は存在しますが、この場合は受託者が受託法人として扱われる事で課税がされることになっていますが、この辺りの説明は非常に複雑になりますので、今回は省略致します。

こんにちは、税理士の枌です。

 

家族信託ブログの5回目は、家族信託の税務について解説します。

 

まず、家族信託の税務の基本的な考え方ですが、「信託の受益者が信託財産の所有者である」とみなして課税がされます。

 

例えば

委託者  → 父

受託者  → 子

受益者  → 父

信託財産 → 父所有のアパート

で家族信託を設計してみます。

 

この場合、信託契約によってアパートそのものは父から子に信託譲渡され、登記簿上の所有者は「子」になります。

 

しかし、受益者は「父」ですから、税務では信託後の所有者は「父」のままです。

 

従って、この信託財産である父所有のアパートから得られる利益は全て父に帰属します。

当然ですが、このアパートについて不動産所得を申告する人は「父」となります。

 

税務上は信託の前後で所有者が変わっていないところに注目して下さい。

☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 

さて、このパターンで受益者だけ「母」に変更してみましょう。

 

委託者  → 父

受託者  → 子

受益者  → 母

信託財産 → 父所有のアパート

 

この場合、信託の前後で税務上の所有者が父→母に変わっていますね。

 

つまり、税務では財産の名義が移転したことになります。

 

このタイミングで母から父にアパート取得の適正な対価が支払われていれば、父は母にアパートを売却したことになります。

 

逆に、母が何らの対価を支払わない又は支払ったとしても適正対価とは大きく違う場合(時価>対価)には、母は父から贈与を受けた事になります。

 

信託後は、受益者である母が税務上のアパート所有者となりますから、母がアパートから得られる利益について不動産所得として申告する必要があります。

☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 

更にもう少し発展させてみます。

 

前回のブログでご紹介した「受益者連続型信託」で考えてみましょう。

 

委託者  → 父

受託者  → 子

受益者

→ 第一受益者は父(父存命中は父が受益者)

第二受益者は子(父死亡により第二受益者となる)

信託財産 → 父所有のアパート

 

信託の直後は、父がアパートの所有者なので、信託前後での財産移転がない事は説明済みです。

 

では、父死亡により受益者が父から子に変更された場合は税務ではどのように考えるのでしょうか。

 

父の死亡で子が次の受益者となった訳ですから、アパートが父から子に「父の死亡」を原因に移転しているわけです。

となると財産移転原因は「相続」となりますので、この場合相続税の課税対象となります。

 

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ちなみに「受益者のいない信託」というのも実際は存在しますが、この場合は受託者が受託法人として扱われる事で課税がされることになっていますが、この辺りの説明は非常に複雑になりますので、今回は省略致します。

 

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