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民法相続編の改正⑧

2020.01.28

こんにちは、税理士の枌です。

連載でお送りしております民法相続編の改正シリーズの8回目です。
今回から新しいテーマである「遺言制度の見直し」を解説したいと思います。
民法では遺言関する規定が存在しますが、その中で今回の主な改正はと言いますと
「自筆証書遺言の方式の緩和」
「遺言執行者の権限の明確化」
「法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設」
の3点です。
まず、遺言とは何ぞやという話から始めましょう。
一般に遺言という言葉からは、「〇〇の土地は妻に相続させる、△△銀行の預貯金は長男に相続させる」というような死亡後の財産の行先に関して書かれているもの」というイメージが強いのではないでしょうか。
もちろん、それが遺言のメイン機能であることは否定しませんが、実は遺言でできる事って、それ以外にも結構あるんですよね。
遺言でできる主な事を下表で整理してみます。
この表の中で、「財産の分け方」に関する事項が一番上の段の3行目「遺産(配偶者居住権含む)の分割方法の指定」と最後の行の「遺贈」です。
これ以外の遺言の機能から、今日は「相続人の廃除及び廃除の取り消し」をご紹介します。
例えば父親には3人の子供がいたとして、その末っ子が父親に対して極悪非道の限りを尽くし、迷惑をかけまくったとします。
父親としては、この末っ子には本当に迷惑ばかりかけられたばかりではなく、真面目な二人の子供にも余計な苦労をかけてしまったので、「こいつには絶対遺産はやらない」と心に固く誓っていました。
しかし、どんなに出来の悪い子供で、相続人であることに違いはなく、相続ともなれば遺言があったとしても遺留分は存在します。
従って遺言で全財産を上の二人の子供に相続させたとしても、遺留分侵害額請求権まで失わせることはできないんですね。
そんなときに使う制度が「相続人の廃除」という規定です。
相続人の廃除自体は、本来は生きている間に家庭裁判所に申立てて行われるのですが、これに代わって遺言で「末っ子の〇〇は私の相続人からは廃除する」と書く事で同じような効果が生じます。
具体的には遺言執行者が家庭裁判所に廃除の申立てをして、認められれば末っ子は相続人としての地位を失う事になります。
前者の廃除を「生前廃除」、後者の廃除を「遺言廃除」などという事もあります。
もちろん、この制度が濫用されては世間が大混乱しますので、ただ単に「盆暮れの挨拶がない無礼者だから」というような小さな理由では廃除は認められません。
しかしその後、件の極悪人の末っ子が心を入れ替えて、晩年は父親の献身的に父親の面倒を看てくれた様な場合に父親が「勘当を解く」という様な感じで「相続人の廃除を取り消す」という事もできるんですね。
この廃除の取り消しも、本来は生前に行うべきなのですが、これも遺言ですることができるのです。
次に遺言の形式について説明します。
遺言には普通方式と特別方式の遺言があります。
普通方式の遺言:自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言
特別方式の遺言:死亡危急者遺言、伝染病隔離者遺言、在船者遺言、船舶遭難者遺言
特別方式の遺言はめったに登場しませんので、説明は割愛します。
また普通方式の遺言の「秘密証書遺言」も利用される場面が少ないので、これも割愛し、自筆証書遺言と公正証書遺言について比較してみました。
次回は、この「自筆証書遺言」についての改正の説明をしたいと思います。

連載でお送りしております民法相続編の改正シリーズの8回目です。

今回から新しいテーマである「遺言制度の見直し」を解説したいと思います。

 

民法では遺言関する規定が存在しますが、その中で今回の主な改正はと言いますと

「自筆証書遺言の方式の緩和」

「遺言執行者の権限の明確化」

「法務局における自筆証書遺言の保管制度の創設」

の3点です。

 

まず、遺言とは何ぞやという話から始めましょう。

 

一般に遺言という言葉からは、「〇〇の土地は妻に相続させる、△△銀行の預貯金は長男に相続させる」というような死亡後の財産の行先に関して書かれているもの」というイメージが強いのではないでしょうか。

 

もちろん、それが遺言のメイン機能であることは否定しませんが、実は遺言でできる事って、それ以外にも結構あるんですよね。

 

遺言でできる主な事を下表で整理してみます。

 

遺言でできること.gif

 

 

この表の中で、「財産の分け方」に関する事項が一番上の段の3行目「遺産(配偶者居住権含む)の分割方法の指定」と最後の行の「遺贈」です。

 

これ以外の遺言の機能から、今日は「相続人の廃除及び廃除の取り消し」をご紹介します。

 

例えば父親には3人の子供がいたとして、その末っ子が父親に対して極悪非道の限りを尽くし、迷惑をかけまくったとします。

父親としては、この末っ子には本当に迷惑ばかりかけられたばかりではなく、真面目な二人の子供にも余計な苦労をかけてしまったので、「こいつには絶対遺産はやらない」と心に固く誓っていました。

 

しかし、どんなに出来の悪い子供で、相続人であることに違いはなく、相続ともなれば遺言があったとしても遺留分は存在します。

従って遺言で全財産を上の二人の子供に相続させたとしても、遺留分侵害額請求権まで失わせることはできないんですね。

 

そんなときに使う制度が「相続人の廃除」という規定です。

 

相続人の廃除自体は、本来は生きている間に家庭裁判所に申立てて行われるのですが、これに代わって遺言で「末っ子の〇〇は私の相続人からは廃除する」と書く事で同じような効果が生じます。

具体的には遺言執行者が家庭裁判所に廃除の申立てをして、認められれば末っ子は相続人としての地位を失う事になります。

 

前者の廃除を「生前廃除」、後者の廃除を「遺言廃除」などという事もあります。

 

もちろん、この制度が濫用されては世間が大混乱しますので、ただ単に「盆暮れの挨拶がない無礼者だから」というような小さな理由では廃除は認められません。

 

しかしその後、件の極悪人の末っ子が心を入れ替えて、晩年は父親の献身的に父親の面倒を看てくれた様な場合に父親が「勘当を解く」という様な感じで「相続人の廃除を取り消す」という事もできるんですね。

 

この廃除の取り消しも、本来は生前に行うべきなのですが、これも遺言ですることができるのです。

 

 

次に遺言の形式について説明します。

 

遺言には普通方式と特別方式の遺言があります。

 

普通方式の遺言:自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言

特別方式の遺言:死亡危急者遺言、伝染病隔離者遺言、在船者遺言、船舶遭難者遺言

 

特別方式の遺言はめったに登場しませんので、説明は割愛します。

また普通方式の遺言の「秘密証書遺言」も利用される場面が少ないので、これも割愛し、自筆証書遺言と公正証書遺言について比較してみました。

 

遺言比較表.gif

 

 

 

次回は、この「自筆証書遺言」についての改正の説明をしたいと思います。

 

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